セクション別ガイド

ユーザーニーズ

ペルソナが「何を実現したいか」を定義します。
月間実行回数を設定することで、ROIに基づいた優先順位付けが可能になります。

なぜユーザーニーズが重要か

よくある失敗パターン

「これは絶対必要」「あれも外せない」「全部マストです」

全ての機能が「最優先」になり、何から着手すべきか誰も判断できない。 結果、政治力のある人の要望が通り、本当に価値のある機能が後回しになる。

toishi のアプローチ

各ユーザーニーズに月間実行回数を設定することで、 「この機能は月45,000回使われる」「この機能は月200回しか使われない」と数字で比較できます。 感情ではなくデータで優先順位が決まります。

入力する項目

タイトル

「〜したい」形式で、ユーザー視点でニーズを表現します。

良い例

  • • 商品を素早く検索して見つけたい
  • • お気に入りに登録した商品の在庫復活を知りたい
  • • 購入履歴から簡単に再注文したい

悪い例(機能名になっている)

  • • 検索機能 ← なぜ必要かが分からない
  • • プッシュ通知 ← ユーザー視点ではない

詳細説明

ニーズの背景や、どのような状況で発生するかを詳しく記述します。

記入例

田中さん(28歳マーケター)は通勤電車の中で、欲しい商品を素早く探したい。 現行サイトでは検索結果の表示に3-4秒かかり、絞り込み条件も使いにくいため、 隙間時間では十分な検索ができずに諦めることが多い。 検索時間を1秒以内に短縮し、直感的なフィルタリングを提供することで、 通勤中でも効率的に商品を探せるようにしたい。

月間実行回数 ⭐ 重要

このニーズが月に何回実行されるかを推定します。ROI計算の基礎となる最重要項目です。

推定方法

  • 1. 既存データがある場合
    アクセス解析から該当機能の利用回数を確認
  • 2. 類似サービスを参考にする場合
    業界平均や競合の公開データから推定
  • 3. ボトムアップで計算する場合
    ターゲットユーザー数 × 1人あたりの想定利用回数/月

記入例

  • • 商品検索: 45,000回/月(現行サイトのアクセス解析より)
  • • 在庫復活通知: 2,000回/月(お気に入り登録数 × 在庫切れ率 × 復活率で推定)
  • • 再注文: 8,000回/月(リピート購入率から推定)

紐付くペルソナ

このニーズを持つペルソナを選択します(複数選択可)。

記入例

• 田中花子(プライマリペルソナ)
• 鈴木太郎(セカンダリペルソナ - 業務用まとめ買い)

Claude Code での操作例

あなた

「toishiのユーザーニーズに追加して。 『商品を素早く検索して見つけたい』、月間実行回数は45,000回、 ペルソナは田中花子」

AI

ユーザーニーズを追加しました。

- タイトル: 商品を素早く検索して見つけたい
- 月間実行回数: 45,000回
- ペルソナ: 田中花子

このニーズの詳細説明も追加しますか? 例えば「通勤電車で隙間時間に検索したい」など。

あなた

「追加して。現行サイトは検索に3-4秒かかるから、1秒以内にしたい、という背景も入れて」

承認のポイント

承認者はここをチェック

  • ✓ ニーズがユーザー視点で書かれているか(「〜したい」形式)
  • ✓ 月間実行回数の根拠が示されているか(データ or 推定方法)
  • ✓ ペルソナと紐づいているか
  • ✓ 詳細説明で「なぜこのニーズが重要か」が分かるか
  • ✓ 類似のニーズが既に存在しないか(重複チェック)

月間実行回数の決め方

1

既存データを使う(最も信頼性が高い)

Google Analytics、Mixpanel などのアクセス解析ツールから、 該当機能の利用回数やページビューを確認します。

2

ユーザーヒアリングで確認する

「この機能を月に何回使いそうですか?」と直接聞く。 5-10人に聞いて平均を取ると精度が上がります。

3

ボトムアップで計算する

ターゲットユーザー数 × 想定利用頻度 で計算します。
例:アクティブユーザー10,000人 × 月4.5回 = 45,000回/月

4

仮説を立てて後で検証する

データがない場合は仮説で始め、リリース後に実データで検証します。 「仮説: 2,000回/月」のように明記しておきましょう。

なぜこの設計なのか

1

月間実行回数(フェルミ推定)で定量化。「重要」「普通」の主観評価を排除

「この機能は絶対必要」と全員が言うと、優先順位が決まりません。 月間実行回数を設定することで、「この機能は月45,000回使われる」「この機能は月200回」と 数字で比較でき、声の大きい人ではなくデータで優先度が決まります。

2

受入基準を事前に書く。これが検証テスト計画に直結する

「検索結果が1秒以内に表示される」のような受入基準を事前に定義しないと、 開発終盤に「これでは遅すぎる」と言われて手戻りします。 受入基準を契約前に合意することで、「完成の定義」が明確になります。

3

「完成の定義」を作る前に合意する — 曖昧な完成定義が手戻りの最大原因

「動けばOK」では、発注者とベンダーで「動く」の定義が違います。 ユーザーニーズごとに受入基準を書くことで、 「この基準を満たせば完成」が契約時に確定し、後から「これも必要だった」を防げます。

次のステップ

ユーザーニーズを定義したら、次はそのニーズを実現するための画面遷移を設計しましょう。

画面遷移の設計