セクション別ガイド

プロジェクトの前提

なぜこのプロジェクトが必要なのか。何を達成すべきなのか。
全ての判断の土台となる情報を定義するセクションです。

なぜこのセクションが必要か

よくある失敗パターン

  • • 開発終盤になって「そもそも目的は何だっけ?」となる
  • • チームメンバーによって「成功」の定義が違う
  • • 予算・期間の制約が共有されず、実現不可能な要件が積み上がる
  • • ステークホルダーの期待値がバラバラ

プロジェクトの前提を明文化することで、チーム全員が「何のために」「何を目指して」開発しているのかを共有できます。 迷ったときの判断基準になり、スコープの議論も「目的に照らして必要か」で判断できるようになります。

入力する項目

背景・目的

なぜこのプロジェクトが始まったのか、何を解決したいのかを記述します。

記入例

現行のECサイトは2018年に構築され、月間PVが50万を超えた現在、パフォーマンスとUXの両面で限界を迎えている。 カート離脱率が業界平均の1.5倍(45%)に達しており、売上機会損失は月間約2,000万円と推定される。 本プロジェクトでは、カート離脱率を30%以下に改善し、CVRを1.5倍にすることを目指す。

制約条件

予算、期間、技術制約など、プロジェクトの枠組みを定義します。

記入例

  • 予算: 初期開発 3,000万円、年間運用 500万円
  • 期間: 2024年4月〜2024年9月(6ヶ月)
  • 技術制約: 既存の基幹システム(SAP)との連携が必須
  • リソース: 社内エンジニア2名、外部ベンダー5名

成功指標(KPI)

プロジェクトの成功を測る具体的な数値目標を設定します。

記入例

  • • カート離脱率: 45% → 30%(33%改善)
  • • CVR(コンバージョン率): 2.1% → 3.2%(1.5倍)
  • • ページ読み込み時間: 4.2秒 → 1.5秒以下
  • • 顧客満足度スコア: 3.2 → 4.0以上(5点満点)

ステークホルダー一覧

プロジェクトに関わる人物とその役割・期待を明記します。

記入例

  • プロジェクトオーナー: 山田部長(EC事業部)- 最終意思決定者
  • 発注者: 田中課長(マーケティング)- 日次の要件確認
  • 技術責任者: 鈴木リーダー(IT推進室)- 技術選定・レビュー
  • エンドユーザー代表: 佐藤主任(カスタマーサポート)- UXフィードバック

Claude Code での操作例

あなた

「toishiの『ECサイトリニューアル』プロジェクトの前提に、制約条件を追加して。 予算は3,000万円、期間は6ヶ月、SAPとの連携が必須」

AI

制約条件を追加しました。
- 予算: 3,000万円
- 期間: 6ヶ月
- 技術制約: SAP連携必須

ステータスは「下書き」です。承認依頼しますか?

承認のポイント

承認者はここをチェック

  • ✓ 背景と目的が具体的で、関係者全員が理解できるか
  • ✓ 制約条件(予算・期間・技術)が現実的か
  • ✓ KPIが測定可能で、達成基準が明確か
  • ✓ ステークホルダーの役割と期待が明記されているか
  • ✓ 抜けている制約や前提条件がないか

ベストプラクティス

1

最初に書く、最初に承認を得る

前提が固まっていないと、後続のセクション(ペルソナ、ユーザーニーズ)の方向性もブレます。 最初にステークホルダーの承認を得ることで、手戻りを防げます。

2

「やらないこと」も明記する

スコープクリープを防ぐために、「今回は対象外」を明確にしておくことが重要です。 例:「多言語対応は Phase 2 で検討」

3

数字で語る

「パフォーマンスを改善する」ではなく「ページ読み込み時間を4.2秒から1.5秒に改善する」と書く。 曖昧さが減り、達成確認も容易になります。

なぜこの設計なのか

1

「やらないこと」を明文化することで、最も多い手戻りを防ぐ

out_of_scope(スコープ外)を書かないと、開発中に「これも必要では?」が無限に湧き、 予算・期限が破綻します。「多言語対応はPhase 2」のように明記することで、 スコープクリープを防ぎます。

2

目的の一致なしに進めると、後から「そもそも何のために」で振り出しに戻る

「業務効率化」だけでは曖昧すぎて、開発終盤に「これは効率化になっていない」と言われます。 「月末請求処理を48時間→10時間に短縮」のように数値で目的を定義することで、 全員が同じゴールを見て進めます。

3

制約条件(予算・期限・技術制約)を明文化しないと、開発中に発覚して大幅修正

「SAP連携が必須」を書かないと、SAP非対応の技術で設計が進み、 後から全面的に作り直しになります。制約を最初に共有することで、 実現不可能な要件を事前に排除できます。

次のステップ

前提を定義したら、次は「誰のために作るか」を明確にするペルソナを作成しましょう。

ペルソナの書き方