セクション別ガイド

スコープ(ROIシミュレーション)

toishi の中核機能。月間実行回数と工数から ROI を計算し、
何を作るべきかをデータで決定します。

なぜ ROI でスコープを決めるのか

よくある失敗パターン

  • • 「全部やりたい」で始まり、予算オーバーで中途半端に終わる
  • • 声の大きいステークホルダーの要望が優先される
  • • 「これは後でいい」の判断根拠がなく、議論が平行線
  • • リリース後、誰も使わない機能が多数発覚

toishi のアプローチ

ROI = 月間実行回数 ÷ 必要工数

各ユーザーニーズに設定した「月間実行回数」と、 必要な画面の「工数」から ROI を自動計算。 「この機能は月45,000回使われ、工数20人日 = ROI 2,250」と数字で比較できます。

ROI 計算ロジック

価値(Value)

= 選択したニーズの月間実行回数の合計

コスト(Cost)

= 必要な画面の工数合計(共有画面は重複カウントしない)

ROI

= 価値 ÷ コスト

計算例

ニーズA「商品検索」: 月間45,000回
必要画面: トップ(3人日) + 検索結果(6人日) + 商品詳細(4人日) = 13人日

ニーズB「お気に入り通知」: 月間2,000回
必要画面: 商品詳細(共有) + 通知設定(3人日) = 3人日
※商品詳細はニーズAと共有なので追加工数なし

両方選択した場合:
価値 = 45,000 + 2,000 = 47,000回/月
コスト = 13 + 3 = 16人日
ROI = 47,000 ÷ 16 = 2,937

シミュレーション UI

toishi の ROI シミュレーション画面では、以下の操作ができます:

  • ニーズの選択/解除: チェックを入れると ROI がリアルタイム更新
  • ROI 順ソート: ROI が高い順にニーズを並び替え
  • 予算制約設定: 「この予算内で」の条件でフィルタリング
  • シナリオ保存: 複数パターンを比較検討
  • PDF エクスポート: 稟議書用に出力

Claude Code での操作例

あなた

「toishiでROIシミュレーションして。 予算は500万円以内で、ROIが高い順に選んで」

AI

予算500万円以内で ROI 最大化シミュレーションを実行しました。

【推奨スコープ】
✓ 商品検索(ROI 3,461 / 130万円)
✓ カート改善(ROI 2,400 / 180万円)
✓ お気に入り通知(ROI 667 / 30万円)

合計: 340万円 / 月間インパクト: 59,000回

【スコープ外】
✗ AIレコメンド(ROI 250 / 320万円)
✗ 多言語対応(ROI 50 / 410万円)

このスコープで進めますか?

承認のポイント

承認者はここをチェック

  • ✓ 月間実行回数の根拠が妥当か
  • ✓ 工数見積もりが現実的か
  • ✓ スコープ外にした機能の理由が説明できるか
  • ✓ ビジネス上「必須」の機能が漏れていないか(ROIだけでは測れない価値)
  • ✓ Phase 2 以降の計画が見えているか

ベストプラクティス

1

ROI だけで決めない

ROI は判断の「土台」であり、最終決定ではありません。 セキュリティ要件、法規制対応、ブランド価値など、 ROI では測れない「必須」項目も考慮します。

2

複数シナリオを比較する

「予算300万円パターン」「500万円パターン」「全部やるパターン」など、 複数シナリオを作成して比較検討します。 toishi はシナリオを保存できるので、会議で比較しやすくなります。

3

「スコープ外」も明記する

「今回はやらない」機能とその理由を明記しておくと、 後から「なぜやらなかったのか」を説明できます。 Phase 2 候補として記録しておきましょう。

4

ステークホルダーと合意する

ROI データがあれば「なぜこの優先順位か」を客観的に説明できます。 「私の機能が入っていない」という不満にも、 「ROI で見るとこの順位です」と回答できます。

なぜこの設計なのか

1

ROI = 月間実行回数 / 工数。声の大きい人ではなく数字が優先順位を決める

「この機能は絶対必要」と全員が言うと、優先順位が決まりません。 ROIを計算することで、「この機能は月45,000回使われ、工数20人日 = ROI 2,250」と 数字で比較でき、政治力ではなくデータで優先度が決まります。

2

MoSCoW分類 + Phase分けで「やらないこと」を明確化

「今回はやらない」を明記しないと、開発中に「これも必要では?」が無限に湧きます。 Must/Should/Could/Won'tで分類し、スコープ外の機能を「Phase 2候補」として記録することで、 「捨てられた」ではなく「後回し」として合意できます。

3

予算制約内で最大価値を出すスコープを自動計算

手動でスコープを調整すると、「この組み合わせが最適か」が分かりません。 ROIシミュレーションで複数パターンを比較することで、 「予算500万円で最大のROIを出すスコープ」を客観的に導き出せます。

次のステップ

スコープを決定したら、最後に検証計画を立てましょう。

検証計画の立て方